「消しゴムはんこ」と聞いてどんなイメージが浮かびますか?なかには、小学生の頃に美術の授業で作った思い出のある方もいるのではないでしょうか。また大人の趣味としても密かな人気です。どこか懐かしく、素朴な印象のある消しゴムはんこは心が和みますよね。今回は、消しゴムはんこ作家として数あるアート作品を手がけている津久井智子さんの魅力をお伝えします。
1980年生まれ、埼玉県出身。2021年現在は静岡県熱海市に住みアート作品の製作に没頭する日々を送っています。津久井智子さんが消しゴムはんこを始めたのは15才から。なにげなく作ったことからその世界に惹き込まれていきます。
そして2003年、屋号「はんこや象夏堂(しょうかどう)」を立ち上げ、インターネットや様々なイベントでオーダーメイドのはんこ受注制作を始めました。
本格的に消しゴムはんこ作家として活動するようになったのは2005年です。主婦の友社書籍「消しゴムはんこ。」を出版したことがきっかけとなっています。その後は、各メディアに出演したりワークショップなどに参加したりと活躍の場を広げていきました。自身の作品製作だけでなく、作り方を教えることで消しゴムはんこの楽しさを多くの人に広め、ブームの火付け役となりました。
さらに、あらゆる商品のパッケージデザインやイベントのプロデュースなども手がけ、多岐にわたる活躍は目を見張るものがあります。
津久井智子さんは、自身の作品を「版描」と呼びます。その理由は、特に日本画の作品を見ると納得します。背景に何度も何度も消しゴムはんこを押していき、色を重ねていく様子は、まるで版画のようです。「版描」の出来上がる過程はホームページのギャラリーでも見ることが出来ます。
動物や自然、日本画作品
作品には鳥や猫、象や馬など動物たちを主役とした作品や、木々、草花などを象ったアートが多く、津久井智子さんの自然と向き合う姿勢を感じ取ることが出来ます。静岡県熱海市の古民家に移住していることからも、優しくも厳しい自然と常に共にありたいという気持ちが見て取れます。また作品の中には、桜や朝顔、彼岸花などで四季を表現し日本らしさを象徴するものも多数あります。
温泉旅館やお店の壁面アート
消しゴムはんこと聞くと、ハガキにポンと押せるサイズを思い浮かべますが、津久井智子さんの作品は小さなものに留まらず、壁面にも版描を施して世界観を表現しています。たとえば、箱根のとある施設の壁には小田原城や二宮金次郎、富士山を望む風景などが色鮮やかに描かれています。美しいだけでなく、親しみやすさや可愛らしさのある作品です。
掛け軸
これも、魅力的な作品のひとつです。掛け軸に消しゴムはんこという意外な組み合わせですが、不思議な存在感のある「和」を感じる作品となっています。
お菓子や食器のパッケージデザイン
アートな作品だけでなく、身近な物にも津久井智子さんの消しゴムはんこが起用されています。たとえば北海道産牛乳を使用したお菓子のパッケージ。鮮やかな青空のもとに広がる牧場に可愛らしい牛が描かれており、パソコンでは表現出来ない手作り感があります。また、子供用食器やペット用グラノーラなどのデザインも素敵なものばかりです。ぜひホームページの「ワークス」からチェックしてみてください。
キャラはんこ
可愛らしいラバースタンプ(ゴム製のスタンプ)も販売されています。こちらは消しゴムはんこをそのままラバースタンプにしたもので、日常生活によくあるシチュエーションが描かれた4種類があり手軽に楽しめます。
初心者向け消しゴムはんこキットの監修
こちらは消しゴムはんこに興味を持ち、これから始めたいと考えている方にピッタリのキットです。イラストの印刷された消しゴム、三角刀、オリジナルカラーのインク、ハンコをきれいにするねりけしが入っており、これだけで誰でも手軽に作品が作れます。
書籍
さすが手作りはんこブームの火付け役となっただけあり、消しゴムはんこの作り方をまとめた本を何冊も出版しています。
他にもあらゆる作品がある
ここでは紹介しきれないほど数多くの作品や商品がまだまだあります。作家としてだけでなく、消しゴムはんこの楽しさを伝えようとする活動の広さは注目を集めています。
文具のフリーマガジンのエッセイ漫画もとても可愛くて素敵です。これは、津久井智子さんの消しゴムはんこに明け暮れる日常を漫画にしたもので、読んでみると作品に対する想いや作る大変さも垣間見えます。作家としてだけでなく、人柄の魅力も感じます。
何らかのかたちで消しゴムはんこに興味を持っている人も多いでしょう。なかでも、これから作ってみたいと考えている人には、YouTubeで公開されているレッスン動画があります。初心者向けの簡単な作品の作り方や基本、百円ショップ商品で作るはんこ等、参考になる動画が豊富です。
また、消しゴムはんこ製作に必要な材料などは、オンライン通販ショップ「象夏堂ストア」からも購入可能です。
消しゴムはんこの材料・作り方は「津久井智子」のYouTube動画
今回は、消しゴムはんこ作家の津久井智子さんについて深く掘り下げました。大型のアート作品から身近な雑貨小物のデザイン、ワークショップやイベント開催、動画公開など、その活動の広さに驚かされます。パソコンが普及しデジタルなデザインが増えた昨今ですが、だからこそアナログ作品の魅力が際立つとも言えます。消しゴムはんこの世界観を知りたい方は、ぜひホームページや動画をチェックしてみてください。