複数の薄い紙を蜂の巣の形になるハニカム構造で組み立てた後に、大きい台紙で箱の形になるように作る容器が「段ボール」です。段ボールは大量生産が可能なので手軽に手に入るだけでなく、頑丈なので食材から電化製品まで用途の広い入れ物として生活に役立っています。そんな段ボールの可能性を広めるために活動しているのが、この記事で紹介するプレイフルワークスです。
プレイフルワークスは「ものづくりで遊び心いっぱいの社会づくり」をコンセプトに、2019年にダンボール加工メーカー矢野紙器株式会社のプロダクトマネージャーとして従事している島津聖が立ち上げた組織です。
幼稚園及び保育園に通っていた時から小学生の時まで、だれもが一度は段ボールを加工して剣や家などの工作を作って遊んだ記憶があると思います。段ボールの良さというのは何度も言うように頑丈なことであり、現在は技術が進んで防菌加工や水の中でも簡単には破れない防水加工がされているなど年々進化をしているのです。その頑丈さがあるのにカッターやハサミで簡単に切断できることから様々な工作が作れるのですが、この特徴が教育現場で役に立つと注目されています。
段ボールはとても丈夫なのに切り取りやすいことから、芸術の分野において段ボールを使った作品が数多く誕生しています。子供たちに段ボールで加工を楽しんでもらうことによって、子供の心の中に「挑戦心」の大切さを教えてあげられるのです。
工作ワークショップ
「子どもたちの中にある挑戦する楽しさの力を感じさせられる場を作りたい」という願いをもとに、プレイフルワークスが行っているサービスの一つがワークショップ業務です。このワークショップ業務は事前予約制のイベントで、公民館や学校の教室など大人数が入れる部屋を貸し切りにした後に子供たちに段ボールで加工してもらいます。ワークショップでは子供たちに安全に遊んでもらうために、使用する道具の名前だけでなくカッターやハサミを使う上での注意点の説明から始まるのです。仮に工作中にけがをしても、現場には救急道具が用意されているので安心です。説明が終わったら親子でハサミやカッターそしてノリなどを使って、家や車などのダンボールおもちゃから小物などを作ります。出来上がった段ボールおもちゃや小物は工作時間終了後に見せ合った後に、記念写真を撮るという流れです。もちろん出来上がった作品は、そのまま持ち帰ることができます。料金は親子一組当たり2000円から3000円かかりますが、子供の人数が2人以上の複数の場合には一人の値段だけで利用することが可能です。
工展示・ディスプレイ制作
プレイフルワークスではもう一つの業務として行っているのが、団体向けに展示・ディスプレイ制作です。進化する段ボールに使われる紙素材も土に植えると分解される機能を取り付けることで、仮に破れて散乱しても自然を汚す心配もなくなっています。そんな進化する段ボールのメリットに着目して、企業やボランティア団体がイベントなどを開催する際のモニュメントとして活用する需要が増えています。事前に団体とプレイフルワークスの間で話し合いを行ったうえでイベントの特徴に合わせて段ボールを加工し、顔はめパネルなどの設置物や案内板など用途に合わせて制作します。もちろん段ボールを基本に手の込んだ細工を作りたいときには、追加の材料として木やアクリルそして鉄の加工も選べるのです。
防災に関する段ボールの可能性を追求
設立当初のプレイフルワークスはワークショップそして展示・ディスプレイ制作を業務としていたのですが、2011年を契機に新しい事業を開始します。その新しい事業というのが、段ボールを利用した防災アイテムの製造です。2011年は東北沖で震度7以上の地震が起きた年であり、地震や津波の影響によって多くの人々が学校や公民館などで避難生活を余儀なくされます。その学校や公民館における避難生活において、実際に経験した人たちから様々な問題点が伝えられたのです。
その問題点の中で、被災者が最も難儀したのが避難先でのプライバシーとトイレです。大型地震によって被災した際に、水道を流す施設と水を流す配管が故障したことで1か月以上も水が使えない状態になります。そのため排泄物をタンクに入れられる簡易トイレが置かれましたが、その数にも限度があるため使いたくても使えない状況に陥ったのです。そしてプライバシーの問題は、仕方がないとはいえ自宅にいたのでは命の危険があると公民館や学校に避難します。しかし学校や公民館には知り合いだけでなく、同じ地域に住んでいても顔を合わせたことがない人がたくさんいるのです。知り合いであっても近すぎればストレスを感じてしまうのが人間であり、特に施設内で知らない人も含めてひしめき合う状態は心身に大きな負担がかかります。
実際に避難の情報を伝えられたことで、プレイフルワークスで出来ることを考えたうえで実行に移したのが段ボールを活用した防災教室です。防災教室では災害の状況だけでなく、事が起きた時の避難の方法をレクチャーします。そのうえで避難先で役に立つ道具を、段ボールを使って作る工作をします。トイレの数が少ないという問題を解消するために、段ボールとナイロン袋そして吸水素材や稲わらや炭などを利用した簡易トイレの作り方を実践するのです。そのほかにも段ボールを生かした簡易住宅やベッドづくりや、知らない人と打ち明けられるようにダンボール工作教室を行うことで避難先での生活負担を軽減をする取り組みを行います。
防災グッズづくりだけでなく、災害が起きた時のリスク軽減として転倒防止グッズを作ることもレクチャーしてくれます。実際に地震が起きた時に、多くの人が被害を受けているのがテレビやたんすといった重たい家具の転倒です。転倒は自宅にいる人にけがを負わせるだけでなく、避難経路をふさいでしまう要因になります。そこで段ボールで転倒防止グッズを作ることで、実際に災害が起きた時に転倒しないようにすることでけがと避難経路の喪失防止をレクチャーしています。
段ボールはとても頑丈なため大小問わずに荷物を運ぶ箱として活用されますが、素材が紙なのでいろいろな加工ができます。加工は子供の挑戦心を育てる遊び道具になるだけでなく、災害が起きた時に生活の助けになる道具作りにも役立つのです。そこでプレイフルワークスに依頼をすることで、工作の楽しさだけでなくいざというときに役立つ知識を学ぶことができます。
親子で段ボール工作のワークショップなら「プレイフルワークス」
会社名 | プレイフルワークス |
メールアドレス | shimazu@playful-works.com |